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ISOとは何か?
知っているようで知らない概要を簡単に解説!

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  • 医薬・医療機器
  • 保管・入出庫
ISOとは
何か?
ISO規格の種類は?
ISOマネジメントシステム認証とは?
ISOとJISの違いは?
ISO認証取得が持つ意味とは?

ISOとは何か?

ISOとは、国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称であり、 この組織が定めた規格を「ISO規格」と呼びます。ISOは、1947年に設立され、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関・非営利組織です。 各国の国家標準化団体で構成され、2023年5月時点で168カ国が加盟しています。 ISOへの加盟は1ヵ国1機関と定められていて、日本からは日本産業標準調査会(JISC:Japanese Industrial Standards Committee)がISOに加盟しています。

ISOは、製品、サービス、プロセス、材料、システムに関する国際規格を制定しています。 その目的は、製品やサービスの品質や安全性、環境保護、労働安全衛生などの面で国際的な共通基準を設け、 世界中で同じレベルの製品やサービスを提供できるようにすることを通じて、国際取引をスムーズにすることです。

ISO規格の種類は?

ISO規格には、大きく分けて「モノ規格」と「マネジメントシステム規格」の2種類があります。

(1)「モノ規格」

「モノ規格」は、製品そのものや、その品質・安全性に関する規格であり、非常口のマークやクレジットカードのサイズ、 ネジの規格、写真フィルムの規格である「ISO感度」などがあります。 もしクレジットカードが国ごとに大きさや品質、安全性や機能性が大きく違ったら、国を跨いだ取引に支障が出てしまいます。 このように国際的な標準基準を作り、標準化させ、取引をスムーズにすることを目的としたものがISO規格です。

(2)「マネジメントシステム規格」

「マネジメントシステム規格」は、組織のマネジメント・企業や団体の経営に関する規格です。 こちらは製品そのものではなく、組織のマネジメントに関する規格です。これらの規格には、組織が目的を達成し、品質を向上させ、 効率的に業務を実施するためのルール・手順が定められています。ISO規格に基づいたマネジメントシステムの導入と認証取得によって、 組織の品質や環境、安全性などが向上し、国内外での信頼性や競争力を高めることができます。

代表的なISOマネジメントシステムには、品質マネジメントシステム(ISO 9001)や環境マネジメントシステム(ISO 14001)などがあります。 前者は製品やサービスの品質を向上させることを目的とした規格で、後者は環境リスクの低減等を目指すものです。

ISOマネジメントシステム規格には、その規格を適用する組織が遵守すべき「要求事項」が含まれています。 これらの要求事項は、組織が規格の目的(品質マネジメント、環境マネジメントなど)を達成するために遵守すべき基本的な要件のことです。

ISOマネジメントシステム認証とは?

ISOのマネジメントシステム認証とは、組織が特定のISOマネジメントシステム規格の「要求事項」の基準を遵守していることを、 第三者である外部機関が審査し、証明することです。基準を満たしていれば、組織に対して認証証明書が発行され、組織は認証を取得することになります。

認証プロセスは通常、組織内でマネジメントシステムの設計・実施をしたのち、 内部監査、マネジメントレビュー、外部機関の審査を含みます。認証を取得した組織は、定期的な再認証監査を受け、 常に規格に基づくマネジメントシステムを維持することが求められます。

ISOとJISの違いは?

ときおり、ISO認証の記載で「ISO 9001:2015 / JIS Q 9001:2015」などと併記されていることがありますが、JISとは何でしょうか?

JIS(Japanese Industrial Standards)は日本工業規格であり、これは日本の産業標準化法に基づいて制定されている規格で、 製品やサービス、プロセスの品質、効率性、安全性を確保するためのガイドラインを提供します。ISOの日本代表機関である、日本産業標準調査会(JISC)によって管理されています。

ISOとJISの主な違いは、その適用範囲と制定のプロセスにあります。ISO規格は国際的に適用され、世界各国の代表者によって制定されますが、 JIS規格は主に日本国内で適用され、日本の標準化組織によって制定されます。

ただし、多くのJIS規格はISO規格に基づいて作成されており、全世界的に一貫した基準を提供するために、ISO規格がJIS規格に採用されることも多いです。 また、ISOがJIS規格を国際標準として採用することもあります。そのため、ISOとJISの間には一定の互換性があります。

ISO認証取得のメリット・デメリットは?

ISO認証を取得することは、その組織がその分野で品質の高い製品・サービスを提供できる能力があることを証明し、 顧客の信頼を高める上で重要な手段となります。特定の業界や市場に参入するためには、ISO認証が必要な場合もあります。 認証を維持するためには、組織は定期的に製品やサービスのレベルを維持し、必要な改善を実施するため、ビジネスの継続的な改善が促進されます。これらはISO認証取得のメリットと言えます。

しかしながら、ISO認証の取得と維持には費用と時間、労力が必要です。初期の認証取得費用だけでなく、 関連書類の作成、文書の管理、定期的な再認証、内部監査、システムの維持・改善といったことに手間・コストがかかることは、デメリットと言えるでしょう。

その一方で、ISO認証の取得は組織の長期的な成功に対する投資とも考えられます。 ISO認証を取得しているということは、組織の信頼性・認知度を向上させ、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性があるのです。

ISO認証取得の価値はそれぞれの組織の状況や目標によるため、個々の組織での判断の上、取得を検討するのが良いでしょう。


なお、三井倉庫グループでは各組織が以下の規格認証を取得し、それぞれの基準に基づいた運用、継続的な改善を行っております。

登録事業者 規格名 範囲
三井倉庫株式会社(関東支社) ISO 9001:2015
(品質マネジメントシステム)
森林製品の荷役、倉庫保管及び配送サービスの管理
三井倉庫株式会社(中部支社) BS EN ISO 9001:2015
(品質マネジメントシステム)
航空・宇宙・防衛製品の入出庫・保管輸配送に関わる物流サービス
三井倉庫株式会社(中部支社) ISO 13485:2016
(医療機器に関する品質マネジメントシステム)
医療機器の包装・表示・保管及び輸配送に関わる物流サービス
三井倉庫エクスプレス株式会社 ISO14001(環境マネジメントシステム) -
三井倉庫エクスプレス株式会社 JIS Q 27001:2013(ISO/IEC 27001:2014)/
ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)
-
三井倉庫サプライチェーンソリューション株式会社 ISO 9001:2015, JIS Q 9001:2015
(品質マネジメントシステム)
物流ソリューション、各種物流サービス
(輸送、荷役、保管の事務業務およびその管理業務)

【参考】

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