「包装」とは何か?暮らしを支える
「包装」について徹底解説

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「包装」とは何か
「包装」の基本的な役割
持続可能な社会の実現に向けた「包装」に関する取り組み

「包装」と聞いてみなさんは何を思い浮かべますでしょうか?昨今のEC市場やフリマアプリ等C2C市場の拡大に伴い、段ボールなどを用いて包装・梱包された商品を受け取る機会に加え、自身で商品を梱包する機会も増えてきています。また、包装は物流の6つの主要機能(「輸送」「保管」「流通加工」「包装」「荷役」「情報」)のひとつであり、持続可能な社会の実現に向けた物流における取り組みの中においてもその重要性は増しています。

こうしたことから今回は包装の定義や役割、および持続可能な社会の実現に向けた包装に関する取り組みについて簡単に紹介したいと思います。

「包装」とは何か

包装とは「物品の輸送、保管、取引、使用などに当たって、その価値及び状態を維持するための適切な材料、容器、それらに物品を収納する作業並びにそれらを施す技術又は施した状態。」とJIS(日本産業規格)は定義しています。

また、包装はその形態によって以下の通り分類されます。

包装の形態 定義
個装 物品個々の包装で、物品の商品価値を高めるため若しくは物品個々を保護するための適切な材料、容器、それらを物品に施す技術又は施した状態。商品として表示などの情報伝達の媒体にすることもできる。
内装 包装貨物の内部の包装で、物品に対する水、湿気、光、熱、衝撃などを考慮した適切な材料、容器、それらを物品に施す技術又は施した状態。
外装 包装貨物の外部の包装で、物品若しくは包装物品を箱、袋、たる、缶などの容器に入れ又は無容器のまま結束し、記号、荷印などを施した材料、容器、又は施した状態。二次包装ともいう。

出典:日本産業標準調査会ウェブサイト

「包装」の基本的な役割

包装の基本的な役割として以下3つが挙げられます。

内容物の保護

輸送や保管の際に加わる、落下や振動に起因するダメージから製品や商品を守るほか、熱や湿気、香りからの保護も含まれます。また、こうした物理的要因からの保護だけでなく、いたずらなどの人為的要因、酸化や腐食などの化学的要因、虫や菌などの生物的要因といったことから商品や製品を守る役割もあります。

輸送や取扱時の利便性

商品や製品を輸送・保管する際、その荷姿や形態が規格化されていた方が効率的であることは言うまでもありませんが、適切に包装がされ、物品が取り扱いやすくなることは労働環境の改善にもつながります。また、エンドユーザーの暮らしの中においても、購入した商品や製品が開封しやすく、使いやすい場合には、暮らしの質の向上が見込めるといえます。

情報の伝達

商品や製品の名前や量、成分、取扱時の注意などは、関連する法律で表示が定められてるものがあります。このほか、上述の個装の定義にあるように、商品や製品の価値を高める装飾的な役割も果たしています。

持続可能な社会の実現に向けた「包装」に関する取り組み

これまで見てきたように、包装が商品や製品の安定的で効率的、かつ効果的な供給および消費において果たしている役割は大きいといえますが、以下に挙げるような社会課題のもと、包装に求められる役割は年々拡大しています。

これらはSDGsの中でも言及されおり、全世界共通の社会課題といえるでしょう。[注1]

[注1]SDGsってなに?物流業界が取り組むサステナビリティ活動|三井倉庫グループ

食糧問題への対応

人口増加や地球温暖化の影響による農地減少、異常気象の頻発(※)などに起因して世界の食糧需給の不透明性が高まる中、我が国では年間約600万トンもの食品が廃棄されており、食品ロスの削減は急務といえます。[注2]

こうした食品ロス問題はSDGsの12番目の目標「つくる責任つかう責任」でも言及されていますが、容器の改善による鮮度保持・賞味期限延長や輸送時の損傷軽減など、包装の観点からもさまざまな取り組みが行われています。

【※ご参考】

[注2]食品ロスの現状を知る|農林水産省
[注3]人口と開発|国連広報センター
[注4]最新の予測では世界の穀物収量に対する気候変動影響の将来見通しが顕著に悪化~気候変動適応の正念場、従来の想定より早い時期に~|2021年度|国立環境研究所

労働力不足への対応

世界の人口が増加傾向である一方、我が国の人口は2010年頃より減少し始め、特に生産年齢(15~64歳)人口の減少が顕著です。2020年時点で生産年齢人口は約7,400万人でしたが、2060年には4割減の約4,800万人近くになると言われています。[注5]

生産年齢人口が減少していく中、生産性の向上や安全で安心な労働環境を実現することはSDGs第8の目標「働きがいも経済成長も」においても言及されています。包装の観点からは、包装資材の最適化による積載効率向上やパレタイズによる作業効率向上など、安定的なサプライチェーンの構築に寄与しています。

[注5]高齢化の現状と将来像|令和3年版高齢社会白書(全体版)|内閣府

環境問題への対応

商品や製品をエンドユーザーの手元に確実に届けるためには、適正包装が求められます。適正包装とは「省資源、省エネルギー及び廃棄物処理性を考慮し、合理的で、かつ、公正な包装。」とJISは定義していますが、つまり物品を輸送するにあたり、その価値や状態を低下させない、かつ資材を使いすぎるような過剰包装を避ける、ということを意味しています。

こうした適正包装に加えて、プラスチック容器包装のリサイクルなど、循環型社会に向けた取り組みも見られ、これはSDGsの12番目の目標「つくる責任つかう責任」にも対応しています。

私たちの暮らしを支える「包装」

商品や製品が消費者の手元に届くまでの、調達、製造、在庫管理、配送、販売、消費といった一連の流れのことをサプライチェーンといいましたが、「包装」は姿を変えてサプライチェーン上を流れる物品を安全に保護し、安定的で強靭なサプライチェーンを構築するためには不可欠な要素といえるでしょう。[注6]

様々な社会課題解決に向けて、「包装」はさらなる進化が求められています。

[注6]サプライチェーンとは何か具体例を交えて徹底解説|三井倉庫グループ

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