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SDGsってなに?物流業界が取り組む
サステナビリティ活動

  • サステナビリティ
SDGsとはなにか?
企業活動と持続可能な社会
物流業界が取り組むサステナビリティ活動

(2023年7月12日最終更新)

物流の進化の歴史は経済発展の歴史と言っても過言ではありません。 コンテナリゼーションやモータリゼーションに代表される輸送革命や情報通信技術の発達による物流の効率化は社会の発展に大きく貢献してきたといえるでしょう。 他方、このように社会が発展する中、気候変動といった地球規模の「持続可能性(以下、サステナビリティ)」に関する問題も顕在化してきました。 今回のコラムでは、このサステナビリティに深く関係のあるSDGsと、物流業界におけるサステナビリティ活動について紹介していきます。

SDGsとはなにか?

SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことで、2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。 [注1]

持続可能な社会を目指した17のゴールを表すSDGsのロゴ

MDGs達成に向けた15年の間に多くの成果が見られましたが、国や性別、さらには経済状況などによって目標達成に格差が生じてしまったという課題を踏まえ、「地球上の誰一人として取り残さない (Leave No One Behind) 」というスローガンのもと、発展途上国や先進国といった様々な枠組みに捉われない地球規模で取り組むべき目標として、SDGsは誕生しました。
MDGsが8つの目標と21のターゲットで成り立っていた一方、SDGsは17のゴールと169のターゲットから成り立ち、より広範囲な課題をカバーした目標設定といえます。
[注1]SDGsとは?|外務省

企業活動と持続可能な社会


地球規模で取り組むべき目標として採択されたSDGsは、当然企業活動においても当てはまります。例えば、SDGs17のゴールのうち、ゴール8や10に関する労働や雇用における格差や環境の改善といった課題、ゴール7や12に関する効率的なエネルギー利用や温室効果ガス削減などの課題は、今まさに、企業が経済的にも社会的にも直面している課題の一つです。

また、独ベルテルスマン財団と持続可能な開発ソリューションネットワーク(SDSN)が2016年から発行している各国のSDGs達成状況を分析したレポート「SDG Index and Dashboards Report」の2019年度版によると、日本は昨年度同様、総合で15位という結果でした。[注2](※)
先ほど挙げたゴール8などにおいては大きく改善が見られたものの、ゴール10などいくつかの項目については悪化している状況であり、企業活動を巻き込んだ取り組みのニーズは引き続き大きいといえるでしょう。
[注2]ベルテルスマン財団とSDSN、各国のSDGs評価「SDG Index & Dashboards 2019」発表|Sustainable Japan
(※2022年度版「SDG Index and Dashboards Report」によると日本は19位で史上最下位になっています。 参考: ベルテルスマン財団とSDSN、「SDG Index & Dashboards 2022」発表。日本19位で史上最下位

物流業界が取り組むサステナビリティ活動


そのような中、物流業界全体の代表的なサステナビリティ活動として政府が進めているのが、「ホワイト物流推進運動」や「物流総合効率化法の改正」です。

ホワイト物流推進運動

ホワイト物流推進運動とは、トラック運転手の不足が深刻になっていることに対応し、国民生活や産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、 経済の成長に役立つことを目的として、国土交通省が中心となって推進している運動です。 目的としては「トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化」、「女性や60代の運転手等も働きやすいより『ホワイト』な労働環境の実現」を目指しています。 [注3]

これはトラック運転手の不足や高齢化、そして労働環境における課題に対応するものであり、 物流事業者だけではなく、荷主企業や納品先企業といった物流の利用者を巻き込んで、物流の効率化や生産性向上を目指す点が特徴的です。
[注3]「ホワイト物流」推進運動について|「ホワイト物流」推進運動ポータルサイト

なお、三井倉庫グループも、2019年に 「ホワイト物流」自主行動宣言書を提出し、取り組みを進めています。

物流総合効率化法の改正

国土交通省は2016年に物流総合効率化法 [注4]の改正をしました。 物流総合効率化法とは2005年に施行された「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律」であり、 流通業務(輸送、保管、荷さばき及び流通加工)を一体的に実施するとともに、 「輸送網の集約」、「モーダルシフト」、「輸配送の共同化」等の輸送の合理化により、流通業務の効率化を図る事業に対する計画の認定や支援措置等を定めた法律です。
2016年の改正では、前提条件として「二以上の者が連携した事業」が加わり、複数事業者との「連携」がポイントとなりました。[注5]
[注4]物流総合効率化法について|国土交通省
[注5]サプライチェーン全体を巻き込んだ物流改革成功へのヒント|三井倉庫グループ

SDGsを達成して持続可能な社会を

SDGsは地球規模で取り組まなければならない目標ですが、このようなサステナビリティに関する課題は、普段私たちの身近なものとして実感することが難しいというのも事実です。 しかしながら、物流業界のサステナビリティに関しては、昨今の宅配ショックのニュースなどによって徐々に大きな社会課題だと認識されるようになってきました。 冒頭で「物流の進化の歴史は経済発展の歴史」と申しましたが、サステナビリティという比較的新しい概念を取り入れた経済的枠組みに対応して、いま物流の進化が期待されています。


なお、三井倉庫グループでは、物流を通じてお客様のサプライチェーンサステナビリティを実現するサービス、 「三井倉庫Sustainalink」を提供しております。本サービスは、関連法令や国際基準に基づくCO2排出量の見える化から物流合理化によるCO2排出量の削減に至るまで、 お客様それぞれの課題に応じたソリューションをご提案いたします。ご興味のある方はお気軽にお問合せください!

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