IoTとは何か?
物流業界へのIoT利活用と期待

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IoTとは何か
IoT活用の4ステップ
物流業界におけるIoTの活用事例紹介と導入効果

近年、通信機能を持った家電製品や住宅など、「モノ」に通信機能を持たせることで、遠隔操作、状態の確認、機器同士の通信などが可能になり、私たちの生活スタイルに変化が起きています。このように、PCやスマートフォンといった情報通信機器だけでなく、様々なものに通信機能を持たせて、それらの機器がインターネットにつながっていることやその仕組みのことをIoTといいます。今回は、このIoTについて解説するとともに、物流業界での活用事例なども紹介していきます。

IoTとは何か

IoTはアイオーティーと読まれ。正式名称はInternet of Things。日本語では「モノのインターネット」などと訳されています。総務省が提供するICTスキル総合習得プログラムでは、IoTとは「様々な物がインターネットにつながること」「インターネットにつながる様々な物」と定義しています。[注1]

IoTという概念が生まれる以前は、インターネットは基本的にはコンピュータなど情報通信機器同士を接続するためのものでしたが、IoTの登場により、インターネットに接続するテレビやデジタルカメラ、レコーダー、スマートスピーカーなどが注目を集めました。今日では洗濯機や冷蔵庫、電球、電池などの生活用品家電など通信機能をもつデジタル家電は増えています。

[注1]1-1 IoTとデータ利活用の全体像|総務省 ICTスキル総合習得プログラム

IoT活用の4ステップ

IoT機器はその通信機能をいかして、さまざまなモノや事象の遠隔操作や異常検知などに活用されていますが、基本的には以下の4つのステップで活用されることが多いようです。

  1. IoT機器によるデータの収集
  2. クラウドサーバ等へのデータの蓄積
  3. 人やAIによるデータの分析
  4. データや分析結果に応じたフィードバック(通知・制御)

この流れをIoT機能を持ったエアコンの例で説明します。

IoT機器によるデータの収集

エアコンに取り付けられたセンサーが室温や湿度、その場にいる人の体温などに関する情報をデータとして収集します。

クラウドサーバ等へのデータの蓄積

こうして集められたデータはクラウドサーバ等に送られ、その他のデータ、例えば時系列の外気温データなどと共に蓄積されます。

人やAIによるデータの分析

サーバに蓄積された「エアコンによって収集されたデータ」や「その他のデータ」を用いて分析を行います。人による分析に加え、昨今ではAIが自動的に分析を行うケースも増えています。

データや分析結果に応じたフィードバック(通知・制御)

最後に、データ分析の結果を受けてエアコンの温度が自動で調整されます。この時、外気温の時系列データなどと組み合わせることで、部屋の暖め過ぎや冷やし過ぎを防ぐことができるなど、省エネルギーの効果も期待することができます。

物流業界におけるIoTの活用事例紹介と導入効果

上述の通り、IoTはデータの収集に始まり、データ蓄積、データ分析、その結果に応じたフィードバック(通知・制御)といったプロセスを経て活用されています。多くのデータ(ビッグデータ)を用いていることから、省エネルギー効果など、様々な面で最適な制御をすることが可能となりました。こうしたIoTの活用は私たちの日常生活だけに留まらず、産業界にも及んでいます。とりわけ、物流業界では環境問題や労働力不足問題といった社会課題の解決の手段として注目されています。

2021年6月15日に閣議決定された2021年度〜2025年度の物流施策指針となる「総合物流施策大綱」においても、持続可能なサプライチェーンの実現に向けてIoTやAIといった新技術の活用が期待されています。 [注2]

[注2]総合物流施策大綱とは何か?変遷や最新の内容を紹介|三井倉庫グループ

それでは物流業界で活用されているIoTについて、具体的に見ていきましょう。

RFID

RFIDとは、情報を保持した電子タグのデータを、無線を利用して非接触で読み書きする技術です。物流倉庫内では在庫管理などの効率化のために活用されることがしばしばありますが、この情報をサプライチェーン全体で共有することで、発注の精度が向上し、過剰在庫や廃棄などを防ぐことも可能になります。

温度管理

IoTはサプライチェーン上の温度管理にも活用されます。例えば物品を運ぶ際に使われるコンテナ内に温度センサーが搭載されたIoT機器を取り付けることで、物品の温度をリアルタイムにモニタリングすることができ、あらかじめ定めた温度を超えそうになった場合にアラートを出す、あるいは超えないように自動で温度調整をすることなどが可能になります。このように、フードロス削減等のために注目されるコールドチェーンを支える技術としてもIoTは活用されています。

フィジカルインターネット

フィジカルインターネットとは「インターネット通信における、データの塊をパケットとして定義し、パケットのやりとりを行うための交換規約(プロトコル)を定めることにより、回線を共有した不特定多数での通信を実現する考え方を、フィジカル、つまり物流の世界にも適用しようという考え方」を指します。[注3]
日本では2040年の実現を目指し、2022年3月に経済産業省と国土交通省がロードマップを策定しました。[注4]

フィジカルインターネット実現の要件としては様々なものがありますが、物流業務の自動化やサプライチェーンの可視化などは欠かせません。これらは正に、これまで述べてきたIoTの活用が期待される分野であるといえるでしょう。

[注3]フィジカルインターネット・ロードマップ|(METI/経済産業省)
[注4]フィジカルインターネット・ロードマップを取りまとめました!|(METI/経済産業省)

IoTの活用で持続可能な物流へ

上述の「物流総合施策大綱(2021年度~2025年度)」において、以下が目指すべき目標として定められています。

  1. 「簡素で滑らかな物流」の実現:物流 DX や物流標準化の推進によるサプライチェーン全体の徹底した最適化
  2. 「担い手にやさしい物流」の実現:労働力不足対策と物流構造改革の推進
  3. 「強くてしなやかな物流」の実現:強靱で持続可能な物流ネットワークの構築

こうした目標が設定される背景としては、EC市場拡大に起因する輸送の少量多頻度化や積載率の低下という物流固有の課題に加え、我が国の経済・社会的な課題でもある少子高齢化とともに進行しているトラックドライバーの不足など、労働力不足の深刻化などが挙げられます。さらに、世界に目を向けると気候変動の問題もあり、物流業界全体としてもCO2に代表される温室効果ガスの削減が急務となっています。このように、社会課題に対する積極的な対応が迫られる中、IoTやAIなどの最新技術の活用は多くの場面で期待されています。持続可能なサプライチェーンを目指し、物流業界はいま変革の時を迎えています。

※当コラムで記述されている内容は全て掲載当時のものです。最新の情報につきましては都度ご確認いただくことをお勧めいたします。

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