建設機械メーカー E社様

E社様は建設機械(以下、建機)の生産・販売等の事業を展開しており、九州の工場から全国の営業所向けに建機の輸送を行っています。特に北海道向け等の長距離輸送においては、CO2削減や安定的な輸送サービスの継続を課題と捉え、モーダルシフトを以前から検討しておりましたが、貨物の特性上、コストや品質管理の面で課題がありました。三井倉庫グループは一貫した輸送のサポートを行うことで、これらの課題を解決するモーダルシフトをご提案し、輸送の効率化を通じた安定的なサプライチェーン構築についてご支援いたしました。

課題

E社様はこれまで九州の工場から北海道向けの輸送に関しては、九州~敦賀(福井県)間をトラックによる陸上輸送、敦賀~北海道間を内航船(RORO船)による海上輸送を実施しておりました。重量があり、背が高いという特徴のある建機の輸送を海上輸送へモーダルシフトする際に、以下を課題と認識していました。

  • 特殊車両や器具、業者の確保
    建機の陸上輸送には特殊車両や器具を使用する必要がある。また、積卸し作業は建機を自走させて車両やRORO船に積み込むため、特殊技能を持つ業者を手配する必要があり、長距離輸送のドライバー確保が困難であった。
  • 品質管理の徹底
    工場、発地の港、着地の港、納入先で積み卸し作業やラッシング(貨物固定)作業が都度必要になるため、各工程での作業品質管理業務の負荷が増大していた。

解決策

三井倉庫グループが一貫して輸送の手配を行うことで以下の取り組みを行いました。

  • 九州~敦賀間のモーダルシフトを行い、陸送距離を大幅に短縮
  • 上記実施により新たに発生する敦賀港内での横持ち(約2.5㎞)を含め、九州、敦賀、北海道のそれぞれで建機の輸送に長けた運送業者を手配することで作業品質を担保
  • E社様と運送業者との輸送オーダー単位の調整による輸送コスト削減や、国土交通省のモーダルシフトに関する補助金の活用
  • 施策実施前に予めCO2排出量とトラック輸送時間の削減シミュレーションを行うことで、コスト/品質/環境/ドライバー問題への効果を総合的に判断する材料を提示
  • トライアル実施によるダメージ基準の設定、本基準に則る品質情報資料について輸送業者へ展開し、チェックシートを用いた品質管理の徹底

成果

上記の取り組みにより、輸送工程全体の90%以上を海上輸送へモーダルシフトすることに成功しました。得られた成果は以下の通りです。

  • CO2排出量削減:年間56.8t(69.7%)減
  • ドライバーの運転拘束時間:928時間(76.2%)減

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