音響機器の製造業 D社様

D社様は音響機器の製造・販売をグローバルに展開されています。
その中でも、自動車メーカー工場向け車載スピーカーの部品物流において、2024年問題を前に、国内の納入先までの輸送効率に関する課題を感じていらっしゃいました。
三井倉庫グループは仕出し・仕向け港や検品倉庫の拠点見直しなどによる国際一貫物流スキームの変更をご提案することで、輸送の効率を改善し、 物流におけるCO2排出量及びドライバー拘束時間の削減といった社会課題の解決に資する、サプライチェーンの再構築をご支援いたしました。

課題

従来、D社様はミャンマーの工場で製造した部品を、岡山市にある自動車メーカー工場の門前倉庫へ納入するまで、名古屋港を経由して輸送されていました。 港で陸揚げ後は物流センターで検品を実施し、通い容器を用いてトラックで納入を行いますが、物流センターから門前倉庫までは片道270kmの陸送距離があったことから、 それに起因する下記3つの課題がありました。

  • 採算性の向上(長距離かつ往復の運送コスト負担が大きかった)
  • 環境負荷(CO2排出量)の軽減
  • ドライバーの拘束時間の削減

自動車部品の物流では専用の通い容器を使用することから、物流センターと門前倉庫の間で必ず往復輸送が発生し、 復路では空の容器だけを積載して走行しなければならないという点も各種の負担に繋がっていました。

解決策

出荷元である海外工場から、納入先である門前倉庫までの輸送スキームを全面的に見直しました。

  • 仕出し港をヤンゴン港から、より製造工場に近いティラワ港に変更
  • ティラワ港からは神戸港までの海上輸送ルートを採用し、神戸港で内航船に積み替え、納入先の最寄り港である水島港まで輸送
  • 検品・通い容器への詰め替え作業を行う物流センターを、水島港内にある納入先から至近の場所に変更

これらの見直しにより、ミャンマー国内、日本国内ともに陸送距離を大幅に短縮することができました。 陸上輸送よりも海上輸送の方がCO2排出量が少ないことから、陸送距離の短縮は環境負荷の軽減にも大きく貢献します。

成果

  • 採算性の向上(トラック運送コストの削減)
  • 国際複合一貫輸送によるCO2排出量の削減:年間61.2t(34%)減
  • ドライバー拘束時間の削減: 年間1,024時間(80%)減
  • 検品納期平準化による現場負荷の軽減

※納入先までの陸送距離が短縮されたことで定期的な定量の納入が可能となり、1日あたりの検品作業量が平準化されたため、現場の作業負荷軽減に繋がりました。

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